昔から、みんなが気にならないような小さなことが気になってしまう。すぐにソワソワしたり、不安になったり……。ずっと「私はなんてメンタルが弱いんだろう」って、自分の心を責めて悩んできました。
でも、漢方を飲み始めて半年の今、ようやく気づいたんです。
「私は、心が弱いんじゃなくて、心臓の反応が人より少し繊細なだけなのかもしれない」
年齢を重ね、体力やエネルギーの限界を感じるようになったからこそ、ようやく向き合えた自分の身体のクセ。
メンタルや体力が落ちて気持ちがふさぎ込みがちの方に、
「それ、あなたの心が弱いせいじゃないかもよ」
という私なりの気づきを、少しでも心が軽くなるきっかけになればと思い、お話しします。
心臓の反応?① きっかけは、夜間頻尿と「舌診」
そもそも、私が漢方薬局に足を運んだのはメンタルのためではなく「夜間頻尿」に悩んでいたからでした。
最初に処方された漢方が胃に合わなくて、薬剤師の先生に相談したときのことです。
べーっと舌を出す「舌診(ぜっしん)」をしてもらうと、
薬剤師さんから意外な一言が返ってきたんです。
「心臓が、少し弱っていますね」
正直、そのときはあまり実感がありませんでした。だって自覚症状は何もありません。
健康診断で心電図検査で引っかかることはありましたが、誤差範囲です。
しかし、緊張しやすくドキドキする性格や症状を当てられ、びっくりしました。
そして思い当たることばかりで、妙に納得してしまいました。
コーヒーを飲む習慣があるかないかの質問をされ、
「毎日、飲まないと落ち着きません!」と即答。
薬剤師さんによると、私の舌の状態から見ると、コーヒーの常飲は心臓に負担がかかりやすい体質とのことでした。
ひとまず、勧められた心臓を労わる漢方を、飲み始めることにしたんです。
夜間頻尿の原因も精神的な理由から起こる場合もあるとのことなので、少しでも夜の安眠のためにという思いもありました。
心臓の反応?② 半年経って気づいた、小さな体質の変化
漢方を飲み始めて、半年。少しずつ体質が変わってきたのかもしれない、と感じるようになりました。
一番大きな変化は、日々のベースが穏やかになったことです。
以前は、そわそわ感やドキドキを当たり前のように感じながら過ごしていました。
でも今は、その状態がほとんどありません。
緊張して無意識に肩に力も入りやすく、肩こりにも悩まされてきましたが、最近は肩周りも気にならなくなり、正しい姿勢を意識できるようになりました。
振り返ると、大きかった理由のひとつは毎日のコーヒーをやめられたことでした。
カフェインという刺激を抜いたことで、自律神経は今までにないくらい穏やかになり、ようやく「落ち着いている自分」が普通になっていったのです。
今の状態がとても心地よく、以前の私は「落ち着いていない状態」が普通になっていたんだと思うと、少し恐怖を感じます。不調が日常になってしまうと、自分ではその状態に気づきにくいものです。
ベースが穏やかになったからこそ、以前はかき消されていた小さなそわそわ感やドキドキが自分で感じ取れるようになりました。
心臓の反応?③ 春の不調の変化
そんな変化を実感した出来事が、漢方を飲み始めてから3ヶ月後の春にありました。
もともと、春は不調を感じやすい体質なのですが、前日の雨の影響か、朝起きて頭の向きを変えた瞬間、突然激しいめまいに襲われました。吐き気も強く、最後は胃液まで吐いてしまいました。
以前の私なら、「吐きたくない」「どうしよう」と肩に力が入り、心までパニックになっていたと思います。
でも、その日は違いました。
ただ、めまいを受け入れ、生つばがこみ上げてきたら、
「今は吐こう。」
そんなふうに、肩に力が入ることなく不思議なくらい身体の状態を受け入れられたんです。
もちろん体はつらかったですが、心まで一緒に暴走することはありませんでした。
以前なら、その不安に飲み込まれ、気づけば無意識に全身へ力が入っていたと思います。
でも今回は違いました。
必要以上に力まず、そのときの身体を受け入れながら休むことができたのです。
そしてこの「穏やかなベース」ができて初めて、私の中にずっとあった「不安の正体」が見えてきたのです。
心臓の反応?④「ベースが落ち着いた」からこそ見えてきたもの
日々がフラットに落ち着いてくると、面白い変化が起きました。
今まで「ぜんぶ一括りの不安」だと思っていたソワソワ感に、いくつかの『種類』があることが分かるようになってきたんです。
以前は、基本そわそわ感が強すぎてベースが不安気味、小さな身体の反応はすべて「不安」として一括りになっていました。
でもベースが穏やかになると、身体がどんな順番で反応しているのかを少しずつ感じ取れるようになりました。以前のように反応に飲み込まれるのではなく、客観的に自分の身体を観察できるようになったのです。
健康で体力がある人なら、感じることすらしないような、本当に小さな、体の中のノイズ。 それを感じ取れるようになって初めて、私の中で心と身体の点と線がつながりました。
心臓の反応?⑤ メンタルのせいじゃない、これは「臓器のクセ」
以前は、このそわそわ感を「私がメンタルの弱い人間だから」だと思いあきらめていました。
でも、ベースが穏やかになって自分の身体を観察できるようになると、反応する順番が少しずつ見えるようになったんです。
例えば、道を歩いていて鳩が突然バサバサッと飛んできたとき。
あるいは、緊急地震速報が鳴り響いたときや、夜中に携帯が鳴ったとき。
誰でも驚く瞬間ですが、私の場合はまず心臓が『ビクッ!!』と強く反応します。
そのあとに脳が危険を察知して、不安の波が広がっていく。
私の中では、
① 心臓が強く反応する→ ② 脳が危険だと判断する→ ③ 不安が大きくなる
身体を客観的に観察できるようになったからこそ、その順番が見えるようになりました。
そのことに気づくことができた時、
「私は心が弱いんじゃなくて、心臓の反応が人より少し繊細なのかもしれない。」
自然とこの感覚がすとんと自分の中に落ちてきました。
不安が大きくなると身体が緊張して肩が上がっていることに気づけるようになり、
私は肩を下げることを意識できるようになりました。
呼吸も浅くなっていることに気づき、
鼻から4秒吸い、7秒止め、そして口から8秒かけて吐く呼吸法(4-7-8呼吸法)も意識するようになりました。
ついつい吸ってしまいがちですが、ゆっくりと吐くことを意識するようにしています。
そして私は、「自分がおかしい」「心が弱い」と決めつけなくなりました。
心臓の反応?⑥ 私がたどり着いた「身体のクセ」
ずっと「メンタルが弱い」と思い込んできたことも、自分だけの「身体のクセ」なのかもしれません。
そう考えられるだけでも、自分を責める気持ちは少し軽くなるかもしれません。
自分の身体を客観的に観察できるようになると、自分との付き合い方も少しずつ変わっていきます。
夜間頻尿がきっかけで、自分のメンタルとの向き合い方が見え始め、以前より一歩強くなれた気がしています。
私自身、こんな変化があるなんて想像もしていませんでした。
ある日突然に、あなたの身体からメッセージが、すとんとあなたの中に落ちてくるかもしれません。
もちろん、自分の身体と向き合うことは、すぐに答えが見つかるものではありません。
簡単なことではないと思っていたほうが、肩の力が抜けていいかもしれません。
でも、あきらめず焦らず観察を続けていると、いつか自分だけの点と線がつながる日が来ると思います。
これからも焦らず、力を抜いて、自分を観察しながら、身体を大切にしていけたらいいですね。
